2008年03月17日
技術革新とグローバル化、を考える
「大変化」、を一読した。著者は、エコノミストの伊藤元重氏。
それにしても、ずいぶん、抽象的なタイトルではある。
が、中身は。
国際経済学から見た日本経済と、その発展の可能性について、
かなり具体的に踏み込んだ提言がなされていた。
世界最速進行の少子高齢化、巨額の財政赤字、格差社会、
医療崩壊、ニート・フリーター問題、教育の荒廃などなど。
数え上げるとキリがないほどのマイナス材料を前に、私たちは。
日本経済の未来に対して、なるほど悲観的にならざるを得ない。
が、すべての現象に、「光」と「影」の二面性があるとするならば。
経済現象の、影の部分のみに目を奪われるだけでなく、
光の部分はどこか、そこに着目した将来のビジョンが描けないか。
というのが、私が理解した本書の趣旨。
そして、氏によると。
日本の未来に大きな活力をもたらすキーワードは、
「技術革新」と「グローバル化」、であった。
特に、第8章日本の食糧の未来を考える、には考えさせられた。
ずばり、日本農業の可能性についての示唆である。
ここでも、2つのキーワードからの検証を行なうわけだが、
それは私が日頃抱いていたイメージに非常に近いものであった。
この場合、技術革新というのは栽培技術とか、研究技術というより、
経営技術に近い。あるいは、マーケティング技術というべきか。
平たく言うと。
日本農業の技術革新とは、農業のビジネス化、であり、そのためには、
農業を強くするというよりも、農家を強くする政策こそ肝要、ということだ。
また、グローバル化については、
文字通り、世界と競合するということである。
それは、一義的には輸入自由化を意味するけれども、だからこそ、
技術革新を成し遂げる必要があるし、永遠に保護が通用するものでなく。
山形のサクランボ農家は、その格好の好例であろう。
「佐藤錦」は、外国産がいくら入ってきても決して揺るがないのである。
農業が、国の根幹をなす産業であることは論を待たない。
だからこそ、停滞と衰退が叫ばれる現状を突破する将来ビジョンが、必要なのだ。
もちろんその他の章では、農業以外にも触れられ、特に、カギを握るのが
GDPの約8割を占める非製造、というのは、その通りであろう。
いずれにしても、大変化、である。
世界が大きく変わろうとするその中で、日本も、愛媛も、変わろうとしている。
翻弄されてジリ貧となるか、見極めて活力につなげるか、
今、大きな岐路に差しかかっていると、著者はいう。
世界の変化に遅れないようスピード感を持って、
それを見極める知恵と、行動力を磨いてまいりたい、と思う。

